2019年4月26日金曜日

新入社員のタイプと企業の対応


 新年度を迎え、5月からの新元号も発表された。
 リクルートスーツの新入社員の初々しい姿がまぶしいようだが、今年の新入社員は、“「令和」最初の新入社員”と呼ばれることになるのだろうか。
 毎年発表される「新入社員のタイプ」、今年は「呼びかけ次第のAIスピーカータイプ」と発表された。
 この発表は、1973年度から始まって、昨年からこの発表を引き継いだ産労総合研究所(代表・平盛之)が、企業の人事担当者、大学のキャリアセンター担当者などから成る「新社会人の採用・育成研究会」の「2019年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」や採用・就職支援活動などを踏まえて、今年の新入社員の特徴と育成のヒントをまとめたものだ。
 この発表では、「注目のAIスピーカー(引き続きの売り手市場)。多機能だが、機能を十分に発揮させるためには細かい設定(丁寧な育成)や別の補助装置(環境整備)が必要。最初の呼びかけが気恥ずかしいが(○○オッケー!とか)、それなしには何も始まらない。」と解説している。
 同研究所の調査によると、「今年度の新入社員は、質問に対して『はい』、『いいえ』ではなく、『どちらでもない』を選ぶ傾向がある」として、「能動的に動くことは少ないかもしれ」ないが、「丁寧に教え、理解させればしっかりとした仕事をしてくれる期待感ある」としている。
 今年の大卒求人倍率は1.88、平成15年以来5年連続の売り手市場。ただ、就職活動では、経団連の「就職指針」の廃止やインターンシップ制度、卒後3年以内の「新卒みなし」などに翻弄された世代でもあり、終身雇用制度の崩壊などの影響も強く受けており、どこか冷めた意識と企業への執着心も希薄だといわれている。
 せっかく採用した新入社員を戦力とするためには、改めて、「目的目標の共有」を図ること重要だと感じている。
 それぞれの企業の「社会的存在の意義」、指示されて「プログラムされた作業をするAI」ではなく「業務の意味を考え・受け止めて仕事をする社員」となるよう丁寧な育成が“カギ”となっている。
 そして、その具体化を急ぐ必要があると思う。