2019年10月13日日曜日

”リスペクト”はあるか


ラグビーのワールドカップが盛り上がっている。
日本チームが快進撃を続け、にわかファンが増えていると、話題になっている。
予選リーグでは、ロシアを30対10で下し、アイルランドを19対12、サモアを38対19と3連勝し、スコットランドを28対1で下し、19日からの決勝トーナメントへ進出した。
ラグビーの魅力は、試合中は、選手たちがあの体で激しくぶつかり合うが、試合が終わった後の“ノーサイド精神”にあるといわれ、今回のワールドカップでも、多くの観客(テレビ観戦者)の共感を集めている。
その象徴的な姿が、アイルランドとの試合が終わった後、アイルランドの選手たちは整列し花道を作り、勝者の日本選手をたたえ、そのあと、日本選手が両側に整列し、花道を作ってアイルランドの選手たちをねぎらった。
今回のワールドカップでは、選手相互だけではなく、試合終了後、選手たちが、四方の観客席に向かって“感謝”のお辞儀をする姿が広がっている。
こうした“ノーサイド精神”で示される姿は、対戦したチームに対する“リスペクト”があり、応援に駆け付けた観客に対する“リスペクト”がある。
そして、この“リスペクト”が、観る者に“すがすがしさ”と感銘を与えている。
一方、国内では“リスペクト”のカケラさえ見えない事態が進行している。
野党が要求しても国会も開かず、景気の悪化が予想される消費税が10月から10%へ増税された。
憲法遵守が求められている行政府の長が、平和憲法に背を向けて改憲を声高に叫び、その行政府の長にすり寄る国権の最高機関の議長の姿勢が問題になっている。
さらに、あの“かけ疑惑”との関わりをささやかれる当事者を文科大臣に据えた「お友達内閣」やアメリカとの貿易交渉では、国内の農業を切り捨てる内容を国民に隠しての合意、闇の中で還流する「原発マネー」、愛知県の「不自由展」をめぐっては、断罪されるべき脅迫者に加担した中止と補助金の不支給など、国民生活に直結する様々なことが“ヤブの中”と“忖度”にまみれている。
見せかけの「数の力」で強引にことを進める為政者には、国民に対する“リスペクト”など微塵も感じられない。
ラグビーワールドカップが示しているすがすがしい“リスペクト”の陰で進行している事態を見落としてはならない。


2019年9月22日日曜日

国会での審議をすべき ー消費税増税前提の報道

国会での審議をすべき――消費税増税前提の報道


“どのカード決済が得か”とポイント還元の比較や、“店内での消費か、持ち帰りか、軽減税率の仕組みがわかりにくい”といった報道が続いている。
そのいずれもが、消費税増税を前提とした報道だ。
一方で、内閣改造で“誰々が大臣になった”との報道がつづいている。
しかし、国民生活に直接影響を与える課題や疑問に答えるための国会は開かれていない。
 国会論戦を逃げ回っている政権与党の醜い姿に怒りを覚える。
 と同時に、報道の姿勢としても、“これでいいのか”と思う。

2019年6月30日日曜日

“算数が弱いのでパッと割り算できない”


「老後2000万円の蓄えが必要」とした金融庁の審議会報告書をめぐって、国会での審議が続けられている。
この問題では、自らが要請した審議会の報告書を、都合が悪いからといって受け取りを拒否するとした麻生太郎金融大臣の答弁もあって国民的な批判が広がっている。
ところが、もっとびっくりしたのは、参議院の財政金融委員会での厚生労働省の度山徹審議官が行った標題の答弁。共産党の小池晃参議院議員が「マクロ経済スライドによる基礎年金が今の給付水準よりも3割低下する」と指摘し、ただした際に飛び出した。
当然、国会の審議はストップ。再開後、度山審議官は、しぶしぶ給付水準の低下が「およそ3割程度」と認めた。
今回の「年金問題」は、給付水準が明らかに低下する事実を隠そうとする政府の姿勢に対する、当然の国民的な批判の高まりだといえる。
同時に、麻生大臣の姿勢などに示される国会における一強の弊害とともに、その権力におもねる官僚の姿勢をも明らかにしている。
7月の参議院選挙の公示日は、すぐそこである。

2019年4月26日金曜日

新入社員のタイプと企業の対応


 新年度を迎え、5月からの新元号も発表された。
 リクルートスーツの新入社員の初々しい姿がまぶしいようだが、今年の新入社員は、“「令和」最初の新入社員”と呼ばれることになるのだろうか。
 毎年発表される「新入社員のタイプ」、今年は「呼びかけ次第のAIスピーカータイプ」と発表された。
 この発表は、1973年度から始まって、昨年からこの発表を引き継いだ産労総合研究所(代表・平盛之)が、企業の人事担当者、大学のキャリアセンター担当者などから成る「新社会人の採用・育成研究会」の「2019年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」や採用・就職支援活動などを踏まえて、今年の新入社員の特徴と育成のヒントをまとめたものだ。
 この発表では、「注目のAIスピーカー(引き続きの売り手市場)。多機能だが、機能を十分に発揮させるためには細かい設定(丁寧な育成)や別の補助装置(環境整備)が必要。最初の呼びかけが気恥ずかしいが(○○オッケー!とか)、それなしには何も始まらない。」と解説している。
 同研究所の調査によると、「今年度の新入社員は、質問に対して『はい』、『いいえ』ではなく、『どちらでもない』を選ぶ傾向がある」として、「能動的に動くことは少ないかもしれ」ないが、「丁寧に教え、理解させればしっかりとした仕事をしてくれる期待感ある」としている。
 今年の大卒求人倍率は1.88、平成15年以来5年連続の売り手市場。ただ、就職活動では、経団連の「就職指針」の廃止やインターンシップ制度、卒後3年以内の「新卒みなし」などに翻弄された世代でもあり、終身雇用制度の崩壊などの影響も強く受けており、どこか冷めた意識と企業への執着心も希薄だといわれている。
 せっかく採用した新入社員を戦力とするためには、改めて、「目的目標の共有」を図ること重要だと感じている。
 それぞれの企業の「社会的存在の意義」、指示されて「プログラムされた作業をするAI」ではなく「業務の意味を考え・受け止めて仕事をする社員」となるよう丁寧な育成が“カギ”となっている。
 そして、その具体化を急ぐ必要があると思う。

2019年1月2日水曜日

明けましておめでとうございます


明けましておめでとうございます。
2019年を迎えました。
昨年は皆様にとって、どんな年だったのでしょうか。
日本経済は、アベノミクスの矢は折れ、カリスマ経営者の逮捕で幕が引かれる事態となりました。
一方、国会では、疑惑究明には背を向け、新たな疑惑には、蓋をしたままのゴリ押しが続けられ、沖縄では、民意を踏みにじった暴挙が続けられています。
平和の課題でも、沖縄だけでなく、護衛艦の空母化やオスプレイの佐賀空港への配備計画など、アメリカ追随の軍拡が続けられています。
さらに、子育て支援や福祉を口実に今年の秋には、国民生活を直撃する増税がはかられようとしています。
こうした中で、天皇の譲位が決まり、昨年来、新しい年号は何かと取り沙汰されている中、今上天皇の記者会見における“象徴天皇とは”と、平成の30年間、国民との新たな関わりを模索し続けた姿勢。その率直な語り口には、共鳴できる感じがありました。
さて、こうした2018年をうけて、2019年の日本の進路はどうなるのでしょうか。
新しい年号が定められる年でもあります。
また、参議院選挙やいっせい地方選挙が迫っている年明けでもあります。
憲法をないがしろにする現政権に対して、立憲主義を守る共同が広がり注目されています。
日本の進路を決するために、民意を反映させる絶好のチャンスです。
                                                                 (2019.1.1)


2018年10月26日金曜日

仕事と作業




「あなたは仕事をしていますか?。それとも、あなたは作業をしていますか?」・・・
最近のいくつかの研修で話題になりました。
この提起を受けて、仕事と作業って何が違うのかについて論議が始まります。

「どう違うんだろう?」
「作業は、仕事の一部分だと思う。」

なるほど、そうだ。

「仕事は大きなもののような気がする。」

これも分かる気がする。

「ここの作業所は、『B型作業所』と呼ばれているけど、利用者の皆さんは『仕事に来る』と言っている。」

フム、フム。日程表のなかの記述は「作業」となっているが、職員と利用者の認識の違いだろうか。

「仕事は、目的・目標があって、それを実現する具体的な課程が『作業』ではないだろうか」

徐々に、正解にたどり着いているような感じもあるなァ。

そうだ、以前の研修で触れた話がある。

そのお話し「お城と石工」。

ある現場で、3人の石工が作業をしていた。

そこへ現場の様子を見に来たお侍が、3人の石工にそれぞれ尋ねた。


お侍「お前は、何をしているのか?」



石工A「見りゃあ分かるだろう。石を積んでいるんだ」


石工B「私は、石垣を造っていますよ」


石工C「私は、お城を造っているんです」と。


あなたは、仕事をしていますか。それとも・・・・


2018年9月28日金曜日

“どアホノミクス”と425兆円超

「どアホノミクスの正体」(佐高信、浜矩子:講談社+α新書)を読んだ。
この本は、経済評論家の佐高信氏と同志社大学大学院ビジネス研究科教授、エコノミストの浜矩子氏の対談として出版されたもの。内容は、安倍政権の政策の分析から、アメリカにおけるトランプ政権の成立とその本質、経済活動や通貨、マルクスの「資本論」と現代、「反格差」「反貧困」、安倍晋三の目論見、アベノミクスとどう対峙するかはなど多岐にわたる対談である。
この本では多くの示唆を受けた。
特に、国内におけるアベノミクスについて「アホノミクスは戦争国家をつくる政策である」と分析し、その具体的な「三本の矢」政策が必ずしも成功していないが、それでも「GDPを600兆円にまで増やす目標」は「国防費を増や」し「軍事化」を狙うもので、そのために、“通貨の番人”である中央銀行・日銀の性格まで捻じ曲げている実態、その結果、日銀の国債保有率は、41.14%にまで膨れ上がり増え続けている。



これは、国の借金を、国が日銀に命じて(のために政府の意に従順な総裁を据え)、お札をどんどん増刷し、国債を引き受けさせ、その結果、金融政策との辻褄が合わなくなっているのに、何が何でもGDP600兆円の目標の達成をと突き進んでいる。
なるほど、自分で勝手にお札を印刷して、それを、政府が勝手に使うという何でもありの仕組なんだ。こんな、まやかしがまかり通っているのか。
そんな思いで、この本を読んでいると、財務省が、2017年度の法人企業統計によると大企業(資本金10億円以上)の内部留保が425兆8000億円超と発表した。しかも、2016年より22兆4000億円も増えている。
アベノミクスでは、トリクルダウン(大企業の富が中小企業、ひいては従業員に滴り落ちる)としてきた。
しかし、大企業は、国の一般会計予算97兆7000億円(平成30年度)の22%を超える内部留保を増やし、4倍以上もため込んでいる一方で、従業員の賃金は、2016年度に比較すると、年間54000円の減額になっている。
従業員には、トリクルダウンどころか、マイナスである。

なるほど、これも”どアホノミクス”がいう、ごまかしの一面か。

この国の仕組は、ますます逆立ちした構造になっている。